毎年、梅雨の時期になると『夏至』(げし)という言葉をニュースや天気予報で耳にしますよね。
でも、いったい夏至とは何日のことを言い、何を表しているのかよく分からないという人も、実際はとても多いのです。
そんな方のために、誰にでも分かりやすく、夏至や冬至(とうじ)などの季節の不思議についてお話をしたいと思います。
夏至の説明の前に知っておきたい『二十四節気』とは?
まず、夏至とは何なのかをご説明する前に、夏至を語る上で欠かせない二十四節気(にじゅうしせっき)の話をしますね。
二十四節気とは、1年を24回の節で区切ったものを指します。
雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪・冬至・大寒
この季節の節目の言葉として普段聞きなれないものも多くありますが、昔の人はこの節目を参考にしながら農作業をしたりしており、非常に大切なものでした。
夏至とは?
上記で説明した、二十四節気の中に入るのが『夏至』です。
夏至は毎年6月の21日頃を想定していますが、決定するのは日にちではなく、太陽が最も北に来た時を指します。
そのため、6月の22日になる年もあり、必ずしも毎年同じ日ではないのです。
また、夏至というのは、昼の時間帯が1年で一番長く、夜が短い日の事でもあります。
夏至が終わると日が短くなると言うのは、この事からもわかると思います。
では、冬にある冬至とは!?
冬至も夏至と同じ二十四節気の1つです。
夏至とは真逆で、昼間の時間帯がもっとも1年で短い日であり、夜が長い日のことを指します。
夏至のように、日にちは大体12月の21~22日と言われていることから分かるように、こちらも毎年同じ日ではありません。
冬至のかぼちゃ・ゆず湯って何?
冬至の風習として『かぼちゃ』と『ゆず湯』がありますが、この2つは古来からの言い伝えがあります。
まず、かぼちゃをなぜ冬至に食べるのかと言うと、運気を上げるためや、風邪などひかず健康でいられるためという言い伝えがあります。
かぼちゃのような緑黄色野菜はとても栄養分が豊富で、入院患者の病院食の定番にもなっています。
そして、ゆず湯ですが、頑丈で寿命のとても長い『柚子の木』にあやかり、無病息災を祈るための古来から伝わる風習です。
※無病息災とは、病気などをせずに元気で健康であること。
実際にゆず湯に入ると、体がポカポカとしてくるので、風邪予防になると言われるのもわかります。
季節の不思議のまとめ
このように、日本には古くから伝わる習わしや季節毎の不思議があります。
現代社会はとても便利な世の中になっており、季節を知るには様々な情報が溢れていますが、テレビもカレンダーも存在しないような時代には、二十四節気のような節はとても重要な役割を果たしていました。
そして、昔の人の知恵というのは、今思い返しても素晴らしいものばかりで、便利になりすぎてしまった現代社会は逆に生きづらさを感じる方もいるでしょう。
カレンダーや天気予報ばかりに目を通さず、時には自分の体で季節を感じて二十四節気を意識してみるのも良いかもしれませんね。