空気中の酸素を利用して、発電した電気で走る燃料電池自動車のFCV。
2014年1月、トヨタの本社工場で、生産ラインが動き出したと新聞で発表されると、次いでホンダも2015年夏に向けてFCVを販売すると発表があり、一気に身近な存在へとなってきました。
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⇒ MIRAIが占う自動車のミライ!トヨタのFCVがすごすぎるワケ!
ハイブリット車のHVがやっと一般的になってきた現在、FCVが持つ強みや特徴が気になるところです。
そこで今日は、FCVの構造や燃料、現状の気になる点や、今後の展望についてまとめてみました。
FCVってどんな車?燃料電池自動車の特徴とは?
出典:http://newsroom.toyota.co.jp/
FCVとは、Fuel Cell Vehicle(燃料電池自動車)の略語で、燃料電池で、水素と酸素を化学反応させて発電することにより、電気エネルギーを取り出して走ることができる自動車です。
従来のガソリン車がガソリンで動くように、FCVは、水素と空気中の酸素を元に、動くことができます。
FCVの特徴は、なんといっても、有害な排気ガスが出ない点。水素を燃料としているため、排出するのは『水』のみです。
騒音が少ないのも魅力ですが、さらに、エネルギー効率も、ガソリン車の2倍近くあります。
また、石油に頼ることなく、様々な方法で水素を製造することができるのも、大きな特徴となっています。
電気自動車のEVとは何が違う?
有害な排出ガスが出ないと聞くと、クリーンでエコな印象ですよね。
そうなると、電気自動車のEVと同じようなイメージを受ける方も多いのではないでしょうか?
電気自動車のEVも、同じく電気を使い走る自動車のため、走行時のCO2排出はまったく行われません。
ですが、FCVとの大きな違いは、その電気の調達方法。
EVは、外部からの充電による電気調達になるため、鉛電池からニッケル水素、リチウムイオン電池と、性能は向上しているものの、まだまだ『航続距離が短く、充電時間が長い』という、コストが高めの車。
一方、FCVの場合は、空気中の酸素を化学反応させているため、必要なのは水素充填(すいそじゅうてん)だけになり、充電は不要。
充填時間は短く、1回の水素充填でガソリンと同等の距離を走行することができます。
自動車メーカー各社の動向と現状の課題
この、FCVの販売に向けて、注目を集めたのがトヨタです。
アメリカラスベガスで開催されたCES2014で、水素充填タンク2本で約480kmの航続距離を実現と説明。
そこでは、FCVの特徴である、走行音の少なさや充填時間の短さに加えて、加速性能の良さや最高速度の高さをアピール。
その後、2014年に本格量産の開始が発表されました。
現在では、2015年の販売時に、1回の水素充填で500km以上の航続走行が実現可能とされています。
そして、今までにないデザインもポイント。
空気を吸い込む大型のラジエーターグリルが強調されたフロント部分は、FCVの特徴をアピールしながらも、未来を感じさせる、洗礼されたフォルムに仕上げています。
また、ホンダもこのFCVに参戦。
FCVの強みを活かしながら、より小型化・低価格を実現するべく開発中。
次いで、日産、ヒュンダイも、2015~2017年を目安に販売予定を発表しています。
一昔前は、FCV1台で約1億円というトンデモな価格でしたが、ハイブリット車や電気自動車の技術進歩や共有化などにより、コストも軽減され、販売価格も500万程度で各社落ち着くのでは?と、囁かれています。
※詳しくは公式ホームページをご覧ください。
販売価格が抑えられるのはありがたいですが、大きな課題がまだ1つ残されています。
それは、水素充填のインフラ整備。
水素を充填する水素スタンドは、2013年の段階で20基程度。
経済産業省からの普及へ向けた規制緩和も考えられていますが、それでも、ガソリンスタンドより建設コストは4倍以上かってしまう計算です。
そのため、現状としては、この水素のインフラ設備普及が、大きな課題となっています。
まとめ
トヨタ、ホンダ、日産をはじめ、大手各自動車メーカーは、海外の自動車メーカーと手を組み、究極のエコカー『夢の燃料電池自動車』を一般的なものにしようとしています。
今後の展望としては、水素スタンドの普及が、まず大切になってきますが、昔と比較すると抑えられた値段とはいえ、ガソリン車と比べると700万はまだまだ高額・・・。
一般車普及を考えるなら、個人的に、もう少し、販売価格が抑えられることにも期待したいです。