日本では、あまり聞きなれないのが『デング熱』です。
デング熱とは、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地方に
見られる感染症であり、日本国内から出ない場合は、
ほとんど感染することはありません。
ですが、近年、東南アジアへの海外旅行は、とても
人気が高まっており、金額的にも安く行けることから、
日本人観光客も増加傾向にあります。
もしも、自分が海外旅行に行った際に、
感染する可能性もあるという事を忘れないためにも、
『デング熱』の気になる症状や治療法については
知っておいたほうが得策です。
では、デング熱についての基本的な知識を
簡単にご紹介します。
デング熱とは
デング熱とは、正しくは、
デングウイルスに感染した際の病名を言います。
デングウイルスには、1~4までの4つの型が存在
しますが、症状はすべて同じだと言われています。
主な感染ルートは、デングウイルスを保有した
『蚊』が原因だと言われており、
この蚊に刺されることにより、人間に感染します。
症状としては、潜伏期間が2~10日間ほどあり、
発症するとまず高熱が出ます。
頭痛・目の痛み・腰痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・
食欲不振・リンパの腫れなどが症状として表れて、
体力は著しく低下します。
また、発熱してから3~5日間程度で発疹が
現れる場合もありますが、すべての症状は、
だいたい1週間程度で治まりを見せてきます。
ほとんどのケースで、後遺症の心配なく回復しますが、
まれに重篤な副作用が出る場合があります。
人から人へと感染していくの?
デングウイルスは、人から人への感染がありません。
感染する場合は、蚊を通しての感染が一般的です。
もしも、海外から帰国して、自分の症状が
デング熱に関係ありそうだと思った場合は、
その旨を(旅行歴など)きちんと医師に説明して
診察を受けるようにしてください。
通常、日本では、感染者を現実に目の前で
確認する機会のある医師は少ないことからも、
問診等だけではデング熱の判断ができません。
治療が遅れないように、きちんと状況を説明して
検査を受けましょう。
デング熱の予防と対策
基本的には、デング熱を予防する有効策はありません。
ただし、デング熱は、『ネッタイシマカ』や
『ヒトスジシマカ』などに刺される事により
感染することが判明していますので、
蚊に刺されないような努力をする事が、
唯一の予防法となるのです。
たとえば、服装は大いに関係してくるので、
蚊に刺されにくいような長袖・長ズボンを
心がけるというのも大切です。
また、小さなお子さんがいる場合は、
仕事などの都合を除いては、
熱帯・亜熱帯地方の旅行は避けるのが無難です。
デング熱に感染した場合の治療法
デング熱は、デングウイルスによる感染となります
ので、基本的には特効薬というものが存在しません。
症状に応じた対処療法になりますので、
症状が収まる週間前後までは辛い症状が続きますが、
デング熱での死亡例は1%にも満たないので、
そこまで恐れることはないでしょう。
症状は、個人差があるので、
比較的軽度の方もいれば、症状が重い方もいます。
予防接種もないというところが、
一番驚異に感じる原因ではありますが、
日本には存在しないと言われているウイルスなので、
海外へ行く時だけに限り、デングウイルスに
感染しない対策を心がけましょう。
デング出血熱にも注意が必要
デング熱に感染した人の中で、
まれにデング出血熱へと悪化するケースがあります。
これは、熱が平熱に戻る頃に、血漿(けっしょう)が
血管から漏れ出したりする非常に危険な症状です。
適切な処置を行うことが一番重要となりますので、
鼻血などの比較的軽度な症状であっても、
症状が進行すると、死亡につながるケースも
ありますので、油断は禁物です。
なんか変だと思ったら、直ぐに医師に相談しましょう。
最後に、デング熱などの感染症から身を守るためには
デング熱やマラリアなどの、
蚊から伝染する病気が存在することを、
しっかりと認識しましょう。
日本には、ほぼ生息していませんが、夏は蚊に
刺されるのが当たり前と、気にしないのが一番危険
ですので、きちんと虫除けの対策を行いましょう。
特に、免疫力や体力が低いお子さんが感染すると
大変ですので、親御さんが、子供の安全を、
きちんと確保してあげてくださいね。