後遺症を残してしまったり、時には、命に関わる事態にもなってしまう『脳梗塞』。
そんな脳梗塞が起こる前には、いくつかの前兆があると言われています。
では、脳梗塞が起こる前兆にはどのようなものがあるのでしょうか?
今日は、脳梗塞のいくつかの前兆と、対処法についてご紹介します。
脳梗塞とは?
脳梗塞が大変な病気だということは聞いたことがあるという方は多いですが、実際にはどのような病気なのか、詳しく知らないという方もいらっしゃいますよね。
脳梗塞というのは、簡単に言えば、脳の血管が狭くなったり詰まったりして、脳が酸素不足や栄養不足に陥る病気です。
脳内の血液のめぐりが、正常時の5分の1から10分の1くらいに低下してしまい、その状態が、ある程度長時間継続すると、そこの部分の脳組織が壊死してしまいます。
症状としては、意識障害が起こったり、身体の片方の手足が麻痺して動かなくなってしまうなどが挙げられます。
また、中には両方の手足が動かなくなってしまうこともあります。
それから、言語障害が起こったり、顔面の感覚障害が起こることもあります。
他にも、健忘症が起こったり、視野が半分だけ見えなくなってしまったり、ふらついたり嚥下障害(えんげしょうがい)を起こすこともあります。
軽度のものから重度のものまで様々ですが、どの症状も不安の大きいものですね。
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脳梗塞を予防するためには?
多数の不安な症状を引き起こす脳梗塞。
この病気は、どうすれば予防することができるのでしょうか?
まず、脳梗塞になりやすいタイプの人として挙げられるのが、高齢者です。
それから、女性よりは男性のほうが脳梗塞になりやすいと言われています。
ですが、これらのなりやすいタイプには当てはまらない、例えば若い女性などでも、脳梗塞になる可能性がゼロというわけではありません。
その理由は、脳梗塞の原因の多くが、生活習慣にあるからです。
脳梗塞には、高血圧や糖尿病、脂質異常といった身体の状態も、大きく影響してきます。
また、大きなストレスを抱えていたり、喫煙していたり、過度の飲酒をしている方もリスクが高くなります。
それから、肥満も大きな要因となりますので、太り気味の方は注意が必要です。
これらの点を考慮すると、脳梗塞を予防するためには、生活習慣をしっかり見直すことが重要だと言えます。
特に、食事に関しては、塩分や糖分、脂質の多いものは控えて、野菜や魚中心のものにしたいですね。
お酒はほどほどにし、禁煙することも大切です。
また、適度に体を動かす習慣も身につけましょう。
身体を動かせば、肥満を防ぐこともできますし、ストレスも発散でき、脳梗塞の予防に大いに役立ちます。
脳梗塞のリスクは、脳ドックなどの検査で、ある程度事前に知っておくこともできます。
こういった検査も、できるだけ積極的に受けていきたいですね。
脳梗塞の前兆と対処法
予防を心がけていても、思わぬ時に脳梗塞の症状が起こってしまうことはあります。
そうなった時に、気を付けて予防していた人ほど、『まさか自分が・・・』と考えてしまい、脳梗塞であることに気付きにくいものです。
脳梗塞になってしまったら、いち早く治療を受けないと、大きな後遺症を残してしまいかねません。
そこで、脳梗塞の前兆に、できるだけ早く気づくことが大切なのです。
そんな脳梗塞の前兆の1つが、言葉がうまく出てこなくなるというものです。
会話の途中で、急にうまく話せなくなったら危険信号なので、すぐに病院に行きましょう。
また、片方の手足や、顔の半分が麻痺してきたり、しびれてきたりするといったことも、前兆として知られています。
それから、片方の目が見えなくなってしまったり、目まいや立ちくらみといったことが起こる場合もあります。
これらの前兆が起こった場合には、すぐに病院で適切な治療を受けるようにしましょう。
自己判断で『大丈夫だから』と無理をしていると、その数時間後には脳梗塞で倒れてしまっていることもあるのです。
脳梗塞を起こしてしまったら
もし、前兆に気づかず、あるいは気づいたけれど間に合わず、脳梗塞になってしまった場合にはどうなるのでしょうか?
脳梗塞の治療法は、実はその症状の重さによって違います。
まず、発症したばかりで軽度の脳梗塞であれば、薬物療法が主体の治療が行われます。
つまり、初期であれば薬の服用だけで回復する可能性があるのです。
もし、小脳という部分に梗塞が起こしてしまった場合や、大脳全体が大きく肥大してしまった場合などには、緊急の脳外科手術が行われたりもします。
手術となると身体への負担も大きいので、やはり、初期のうちに発見して、早く治療を受けることが非常に重要だということが分かりますね。
まとめ
脳梗塞は、普段は健康そうに見える人でも、脳の内部で症状が進み、突然発症する可能性のある恐ろしい病気です。
まずは生活習慣を整えることで、全力で予防していくことが大切ですね。
それから、もし、少しでもおかしいと感じることがあったら、すぐに専門医に診察してもらうことが重要です。
そのためには、本人だけでなく家族も、常に様子がおかしいところがないか、お互いに気にかけておくことが必要ですね。