中学生になると社会の授業で学習する、日本国憲法の前文。
丸暗記しなければならないという学校も多いでしょう。
ですが、暗記することはできても、その内容が何を意味しているのかよく理解できていないという方も少なくはありませんよね。
そこで、今日は、日本国憲法の前文の内容について徹底的に解説します!
そもそも前文って何?
『日本国憲法の前文』という言葉が当然のように出てきますが、
『そもそも前文って何なの?』
と感じている方もいらっしゃるでしょう。
日本国憲法の前文は、本格的な憲法の条文が始まる前に書かれている文章のことです。
この内容は、憲法の全体の趣旨や基本的な原則について記されたものとなっています。
つまり、前文は、日本国憲法に定められたことを、かなりザックリではありますがまとめた内容であると解釈すると良いですね。
憲法が一番伝えたい大切な部分をまとめたものが前文なのです。
この前文は、憲法の1部としての性質を持っています。
前文が伝える日本国憲法の大切なポイント
日本国憲法は、特に大切な3つのポイントに基づいて作られています。
その大切なポイントというのは、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義です。
そんな、日本国憲法の基本原理である3つの内容を盛り込んだのが、日本国憲法の前文です。
1.国民主権
まず、『国民主権』は、
と、前文にはっきり記されていますね。
国政が国民の代表者によって行われ、その政治による利益は国民が受け取ることになるという
原理も記されています。
2.基本的人権の尊重
それから、『基本的人権の尊重』では、3つの権利が前文で基本原理として掲げられています。
その3つの権利の内容は、以下の通りです。
- 恐怖から免れる権利・・・自由権
- 欠乏から免れる権利・・・社会権
- 平和のうちに生存する権利・・・平和的生存権
これら3つの基本的人権の尊重に基づいて、日本国憲法の全ての内容が制定されているということを、前文の段階で明確にしているのです。
前文では、
と、基本的人権の尊重について記していますね。
3.平和主義
そして、最後に『平和主義』。
と、戦争を放棄することを、前文の時点で明確にしています。
この平和主義の内容については、特に憲法第9条で詳しく記されていますね。
前文でも、条文の中でも触れられる戦争についての内容。
日本が、いかに平和に対する意識の強い国かということが理解できます。
政治の在り方も明確にされている!
日本という国では、政治を行うのは政治家です。
国民主権という基本原理を掲げていながら、日本の重要事項を決定していくのは一部のえらい政治家のみ、ということに疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、この点に関しても日本国憲法の前文では明確に記されています。
前文には、
という言葉が出てきますね。
これは、選挙によって国民が選んだ代表者のみが日本の舵取りを行うことができるという意味です。
つまり、日本の国民は、直接政治に口出しすることは難しいのが現実ですが、『選挙』という形で政治に参加しているのです。
また、選ばれた代表者による政治の結果得られた利益などは、国民が等しく受け取ることができるという点も明記されています。
日本国憲法の前文では、憲法の概要を記しているだけではなく、実は日本という国の政治の在り方までしっかり明確にされているのですね。
まとめ
日本国憲法の前文は、憲法の内容に入る前に、大切なポイントと基本的な原理をまとめてある
内容です。
これを理解することで、日本という国が目指すところをある程度知ることができます。
日本国憲法の前文をしっかり理解して、日本という国の素晴らしさに気付けると良いですね!